
ナプキン月に何枚使う?「生理の量が多い」過多月経の基準と原因疾患
生理の量や日数は個人差が大きく、「自分は普通」と思い込んで無理を重ねてしまう女性が多く存在します。頻繁なナプキン交換やレバー状の血塊は、隠れた子宮疾患や貧血の重要なシグナルである可能性も。本記事では、過多月経の判断基準となるサインや、放置せず正しく体の状態を把握するポイントを解説します。

著者 曻 真子
代表取締役
株式会社EVAtech
- 1回の生理における経血量で、80mL以上は「過多月経」の目安のひとつとされます。
- 昼用ナプキンが1〜2時間もたない、大きなレバー状の血塊が頻繁に出る場合も過多月経のサインといえます。
- 背景には子宮筋腫や子宮腺筋症などの疾患が隠れていることがあり、慢性的な鉄欠乏性貧血の要因にもなるため注意が必要です。
生理の量が多い「過多月経」の目安とは?

生理の量が多い・少ないといった感じ方は人それぞれです。
しかし、医学的には過多月経は、従来1回の月経における総経血量が80mLを超える状態として定義されることが多くあります。
過多月経が疑われる具体的な生活上のサイン
- ナプキンやタンポンを頻回に交換する必要がある
- 夜間に月経用品の交換が必要になる
- 月経用品からの漏出を繰り返す
- 大きな血塊の排出があるを認める
- 月経期間が7日以上続遷延する
- 月経によって仕事、学業、睡眠、外出などの日常生活に支障をきた来す
- 月経に伴って疲労感、めまい、息切れ、動悸などを認める
このような場合、ただ生理が重いだけでなく、過多月経のサインかもしれません。
過多月経のセルフチェック基準|使用するナプキンの枚数の目安も

過多月経として80mLが医学的にはひとつの目安となる一方、実際の生活で自身の経血の量を測ることは困難です。
日常生活では、使用したナプキンの枚数や、交換の頻度が一定の目安になります。
- ナプキンを20枚以上使用する
- 1~2時間おきに交換している
- 夜用ナプキンを使用しても経血が漏れる
日常的にこういった状況の場合、出血量が多い可能性が考えられます。
放置すると危険な過多月経に伴う「慢性貧血」

生理の量が多い状態を放置することのリスクは、慢性的な「鉄欠乏性貧血」に陥ることです。日中でも夜用のナプキンの使用が欠かせなかったり、血の塊の排出があったりする場合には鉄欠乏性貧血を伴うことがあり、めまいや息切れ、疲労感を覚えることもあります。
これまでより月経の量が増えた、強い疲労感やめまいで困っているなど、気になることがあれば一度婦人科を受診することをおすすめします。
「生理の量が多い」背景に潜む代表的な疾患

過去と比較して出血量が増加している場合には、器質的疾患などが背景にある場合もあるため、注意が必要です。
過多月経の原因は多岐にわたり、PALM-COEIN分類では、器質性原因と非器質性原因に大別されます。器質性の原因としては、子宮筋腫や子宮腺筋症などが挙げられます。
1. 子宮筋腫(特に粘膜下筋腫・筋層内筋腫)
子宮筋腫は、子宮平滑筋にできる良性腫瘍であり、過多月経の代表的な器質性原因です。
特に粘膜下筋腫は子宮内腔の形態や子宮内膜の面積に影響するため、過多月経との関連が強いとされています。筋層内筋腫についても、腫瘍の大きさや位置、子宮内腔への影響などによって月経量が増加することがあります。
2. 子宮腺筋症
子宮腺筋症は、子宮内膜様組織が子宮筋層内に存在する疾患です。
過多月経に加えて、月経困難症、慢性骨盤痛、子宮腫大などを伴うことがあります。年齢とともに症状が変化し「以前より月経量が増え、月経痛も強くなった」という場合には、子宮腺筋症が原因にあるケースがあります。
3. 子宮内膜ポリープや子宮内膜増殖症
子宮内膜ポリープは、子宮内膜の局所的な増殖によって形成される病変で、過多月経や不正出血の原因となります。また、子宮内膜増殖症では、子宮内膜の過剰な増殖に伴って不正出血や過多月経を呈することがあります。
4. 機能性過多月経やその他の要因
明らかな器質的疾患を認めない場合でも、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)のバランスの崩れや、血液の異常などの要因が背景にある場合も考えられます。
このように、過多月経にはさまざまな疾患が隠れているケースがあるため、心配な症状が続いている場合は専門家への相談が推奨されます。
自分の生理を知り、適切なケアを

- 1回の生理で経血量が80mL以上の場合は過多月経が疑われ、ナプキンが1〜2時間でもたない場合やレバー状の血塊が混じる場合も注意が必要です。
- 過多月経を放置すると慢性的な鉄欠乏性貧血を引き起こし、疲れやすさや動悸・めまいなど全身の不調につながる可能性があります。
- 背景に子宮の病気が潜んでいるケースもあるため、体質だからといって放置せず、適切に婦人科で相談することも大切です。
過多月経は、体質だけで評価できるものではありません。
ナプキンを交換する頻度や夜間の交換、経血の漏れ、大きな血塊、月経による日常生活への支障などを総合的に評価することが重要です。
生理の量が多い原因には、子宮筋腫や子宮腺筋症などの器質的疾患が隠れている場合があり、慢性的な出血は鉄欠乏や鉄欠乏性貧血につながる可能性もあります。
「生理が重いのは体質」と考えず、月経量の変化や生活への影響を確認し、必要に応じて婦人科を受診することが大切です。
